Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
その時、またマストの上に声がある、
「皆さん、海の方ばかりごらんなさらずに陸の方もごらんなさい」
ああ、七兵衛おやじが
かけるわ、かけるわ!
茂太郎が叫び立てるから下で、
「茂ちゃん、見えもしないくせに、人を驚かせちゃいけませんよ」
「でも……」
茂太郎は頓着なしに、仰々しく叫び立てています。
七兵衛おやじが
かけるわ、かけるわ
矢のようにかけて
勿来の関を通りぬけた
おやじはどこへ行くつもりで
あんなに道を急いでいるのか
それは言わずと知れた
陸前の石巻へ向けて
この無名丸と
かけっこをしようというのです
つまり、無名丸が先に
陸前の石巻に着くか
七兵衛おやじが先に
同じところへ着いて待ってるか
その二つのうちの
いずれかの一つなのだ
だが、船には
天候というものがある
それからまた
七兵衛おやじは七兵衛おやじで
田山先生を見つけなければならぬ義務がある
七兵衛おやじは
どうかして田山先生を
見つけ出して
一緒に石巻へ
連れて行ってあげたいと思います
だけれども
田山先生のあとを追うのは
白雲を掴むようなものですから
首尾よく見つけ出したらお慰み……
ヒュー
ここまで歌い来った茂太郎が、急に歌をやめて、ヒューと口笛を一つ鳴らしました。