Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
駒井が鞭で指し示したところは、今の北米のケープコッドの、プロビンス・タウンからプリモスのあたりであります。
「西洋の紀元でいえば千六百二十年、日本でいうと元和六年の頃でしたね、もう豊臣家は全く亡びて、徳川家の治世になっていた時分です、こちらの欧羅巴のイギリスという国からたった一艘の船が、この大陸の岸につきました、この辺がその上陸点のプリモスというところです」
お松は駒井の指す鞭の頭から眼をはなさず、そうして、よく噂にきくイギリスという国が、こんな小さな島国かということを訝りながら、そこから渡って来た人のあるという大陸の、とても大きいことの比較を見比べていると、駒井はいよいよ調子よく、
「このイギリスから、その時、メー・フラワーという小さな一艘の船――小さいといっても、これよりは大きいですが、無論その時は蒸気はなくて帆前船でした、それに百人余りの人が乗って、この大西洋という大海原を六十日余りで乗りきってここへ着いたのです。その船の乗組の人は前にも言ったように掠奪と虐殺とを目的に来たのではなく、自分たちが信ずるお宗旨を自由に信じたいためだったのですね。