Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

途中、緊張しきって、我を忘れていたものですから、そこは水でございます、そこに石があります、ああ大きな穴が、あぶない――と、走りながら、自分は幾度か警告したのは口だけで、そう言いながらここまで走って来たと思った自分は、実はこの人の小腋に抱えられて、自分が口だけの案内者に過ぎなかったということが、この時、ハッキリわかりました。

その証拠には、自分は全く素足で、履物というものを穿いていない。それは途中で脱げてしまったのではなく、最初から穿いて来なかったので、穿いて来る余裕の無かったということは、今となって明らかにわかります。

かりにも履物をつけないで、あの河原道をここまで走って来れば、足が裂けてしまっているに相違ない。それだのに、自分の足はなんともないではないか。それが、ハッキリわかってみると、お雪ちゃんは、いくら先走って世話を焼くようでも、女は女――という引け目を、しおらしく感じてしまいました。

同時にまた、こんなに病身で、ことに肝腎のお目が悪いのに、それでも足許を誤らずに、この石ころ高い河原道を、わたしというものを抱えながら、ここまで連れて来て下さった先生は、えらいと思わないわけにはゆきません。