Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

あれだけの寝棺では、かなり立派なお家の葬式であろうけれど、入棺間際に火事が起って真先にあれを担いで避難はしたが、死んだ人よりも、生きている人の難儀の方が大事である場合、ぜひなく棺はあのままにして、また火事場へ取ってかえしてしまったのだ。

それにしても、この際、棺をここまで持って来て避難させるまでの熱心があるならば、誰か一人ぐらいは、ここに番をしてあげたらよかりそうなもの、よくよくの場合とはいえ、捨てられた仏がかわいそうじゃないか、ひとりでこんなところへおっぽり出されて、もし狼か、山犬にでも荒されるようなことがあったならば、いっそ、火事場へ置いて焼いてしまってあげた方が功徳じゃないかしら。

お雪ちゃんはこんなことを考えながら、眼をつぶって屋形船の近くまで走って来てしまいました。

三十

この屋形船の中で、竜之助とお雪ちゃんは一夜を明かしたのです。

夜が明けると、お雪ちゃんは竜之助に断わって、再び火事場へ出て行きました。

昨晩は、近寄れなかったが、今朝は、もう火も鎮まってみれば、行けないことはない。第一に久助さんの行方――それから自分たちの荷物の安否、それから宿屋の主人に向って善後策の交渉――そんなことを、いちいちこれから切盛りをしなくてはならないと、雄々しくも心を決めて、寝巻一着を恥かしい