Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

明日は北原さんへ手紙を書くことのほかに、もう一つ用事が出来た。それは、そのお方をおたずねしてみることだ。本当にあの若いおさむらいさんならば、北原さんよりもいっそ手近で、打明けて相談のできる人、ほんとに他人でない気持がする――今の先、いやなおばさんの記憶で悪くした気を、この久助の報告で、お雪ちゃんがすっかり取返しました。

こんなような、あわただしい混乱のうちに、夜になったから、この一晩を、また屋形船の中で明かすことになりました。

昨晩は、火事をよそにして、いくらも残らない夜明けを、あんなにして明かしてしまったが、今晩はもう一人、久助さんというものが来ていて、狭い船の中が賑やかです。

それでも、昨晩からの疲れが烈しいものですから、お雪ちゃんは、薄着のことも気にならず、たあいなく眠りに落ちてしまいました。久助さんもまた同様で、二人とは少し離れたところにゴロリと横になると、やはり疲れがさせる鼾の声。

ひとり、竜之助だけが眠れないものですから、そろそろと起き上りました。

三十五

立ち上った時には、竜之助は、昔、甲府城下の夜の時したように、その後は、本所の弥勒寺長屋にいた時分の夜な夜なのように、面を頭巾に包んでいました。