Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうこうけつじょう

神州纐纈城

国枝 史郎

Lesen Sie 神州纐纈城 (しんしゅうこうけつじょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 188.242 Zeichen · 380 Bildschirme

Aozora Bunko

「妾はごめんを蒙ります。今夜は変でございますもの。貴様などという乱暴な言葉を、平気で聞いてはいられません。愛している者へはそういうお言葉は、使わないものでございます」

「許してくれ。悪かった。乱暴な言葉を使ったのは、いかにも俺の誤りだ。では取り消すことにしよう。怒ってはいけない。怒らないがいい。……まあここへ座るがいい。そうして面白い話でもしよう」

女は静かに腰をかけた。

「手をお見せ、お前の手を。……白くて柔くて鞣し革のようだ。ああこの手で幾人の男の逞しい肩を抱いたことか!」

女は全身を顫わせた。そうして何か云おうとした。

「まあよい、まあよい、何も云うな。気にさわったら許してくれ。俺は時々変なことを云う。これは常識がないからだろう。いやいやこれは病気だからだ。……お前は俺をどう思うかな?」

「どう思うとおっしゃいますと?」

「俺を可愛いと思うかな? それとも憎いと思うかな?」

「申上げるまでもございません。可愛いお方でございます」

「俺が可愛い? ほんとかな? 俺のどこが可愛いな?」嘲けるような声である。

突然城主は手を延ばした。両手を前へ突き出した。二本の白木の棒とでも云おうか、腕からかけて指の先まで白布で隙間なく巻き立ててある。