Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「知らない方は皆んなそうおっしゃいますが、一度本物を聞くと、不気味でなかなか寝付かれるものではございません」
「やはり狸が腹鼓でも打つといったことかネ」
と平次。
「そんな手軽なもんじゃございません。太鼓と笛で、馬鹿囃子そっくりですが、それが、遠いような近いような、陰に籠ったような、口ではちょいと申し上げにくいような不思議なものでございます」
番頭はすっかり怯えているものと見えて、この話になると妙に眼が据って真剣になります。
「笛まで入るのは念入りだネ、どこの森でやっているとか、どこの木立でやっているとか、おおよその見当ぐらいは付くだろう」
「それが親分、不思議なんで、ずいぶん腕に覚えのある方が、狸退治をやるんだと言って、囃子の音に見当を付けて、出かけてみるんだそうでございますが、東かと思って出かけると、西の方から聞え、南の方のつもりで探していると、北に移るんだそうでございます」
「ヘエ、それは面白いな」
「ちっとも面白くはございません。私どもが聞いたんでも、吾妻橋の佐竹様のお屋敷の辺りかと思うと、松倉の方に変り、原庭の松厳寺の空地かと思うと、急に荒井町の方角に変ったりいたします。