Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
あの泥棒ときた日には、若い者なんかの手に負える代物じゃねえ」
平次は間もなく暇乞いをして出ました。が、門口へお品を呼んで、何やら耳打ちするとそのままガラッ八をつれて、神田の家とは方角違いの、原庭の方へ道を急ぎます。
「親分、どこへ行きなさるんで」
とガラッ八。
「黙ってついて来るがいい、狸のお宿を探すんだ」
「ヘエ――」
ガラッ八は渋々ながら、平次の後から、影のようにピタリとひっ付いて、やって行きました。
井筒屋の番頭が言ったように、馬鹿囃子はしばらく原庭の方から響いておりましたが、平次が原庭へ行った頃は、いつの間にやら方角が変って、それが松倉の方になっております。
「親分、あまりいい気味じゃないネ」
とガラッ八。
「何をつまらない、狸の方でガラッ八さんが怖いって言ってるぜ、黙ってついて来な」
平次は昼一度歩いた通り、原庭の金貸し後家のお紺の家から逆に取って、中の郷の石上左伝次の家まで五軒をいちいち調べて廻りましたが、さて何の掴みどころもありません。相変らず狸囃子は、どこからともなく、人を馬鹿にしたような長閑さで聞こえております。
「今晩もまた、どこかへ入られるだろうが、困ったことに防ぎようがない、ガラッ八、帰ろうよ」