Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
四
金に糸目は付けねえ、それで足りなきゃア、八所借をしても工面してやる。沈香や人参は手におえないが、和蘭カルタとギヤマンの品のいいのがあったら逃がすな」
「ヘエ――、少しぐらいなら、あっしも持っていますよ」
「大層な心掛けだな」
「男が敷居を跨げば、八人の敵――って言うじゃありませんか」
「七人――の間違いだろう」
「一人ぐらいは多くたって驚きゃしません」
「いくら持っているんだ」
「小粒が一つ、四文銭が三枚」
「馬鹿だな」
「へッへッへッ」
ガラッ八は面白そうに笑って出て行きました。屈託を知らない男の気楽そうな後ろ姿が、ともすれば神経質になる平次を、どんなに力づけてくれるかわかりません。
四
それから三日、石井平四郎夫妻はせっせとお春やお霜を使いによこして、その後の様子を訊ねますが、平次の方からは何の報告もありません。
なまじ金座などをうろついて、世間の耳目を聳動させるより、外の方で動きの取れぬ証拠を集め、一挙にして曲者を縛ろうというのでしょう。
石井の家では、主人の平四郎よりも継母のお君の方が気を揉んでいるとお春は言いますが、平次に言わせると、それよりも、勇太郎失踪の直接の責任者と思われているお春の方が気を揉み、お春よりはまた、七年間勇太郎を育てたお霜の方が大きな打撃を受けている様子です。