Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
八
乳母のお霜も、母の君も、生きている心持もしない〉と手紙を添えました、悪かったでしょうか」
「構やしません、で、見張りは?」
「やはり付けませんでした」
「手引か仲間が家の中に居るから、見張りを付けても何にもなりませんよ、金を遠方へ持出させずに、裏口の土台下へ置かせたのは、曲者の喰えないところで――」
平次はそんな事を言っております。始めは見張りを付けなかったのを惜しがりましたが、家の中の者が仲間で、一と晩中でも隙を狙われるとしたら、見張りをつけるだけ無駄と判ったのです。
「その代り、小判には、目印があります」
「…………」
「改め役へ差上げて極印を打つ前の、吹き立ての小判ばかり百両包みました。あれを一枚でも使えば足が付きます」
「それはうまい、――そんな都合のいい事があるとは知らないから、私は一枚一枚へ目印を付けるようにとお願いしました」
それも平次の指金だったのです。
「御免下さい、親分さんはおいででしょうか」
入口にはもう一人の女客、その声を聞くと平次は、大急ぎでお君を隣の二畳へ押しやりました。
八
「親分さん、面目次第もございません」
入って来たのは乳母のお霜でした。