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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

五

ガラッ八は一世一代の智恵を絞ります。

「狂言にはなるが、本当らしくないな――五年経って、元の子を取戻したのがわからねえ」

「真っ向から当ってみましょうか」

「俺もそれを考えているんだ、危ない橋を渡ってみるか」

「危ない橋?」

「強請に行くんだよ、一つ間違えば伊之助親方の二の舞だが」

平次は何を思い立ったか、淋しく笑います。

五

「御免下さいまし」

「誰じゃ」

御徒士町の吉田一学、御徒士頭で一千石を食む大身ですが、平次はそのお勝手口へ、遠慮もなく入って行ったのです。

「御用人様に御目に掛りとうございますが」

「お前は何だ」

「左官の伊之助の弟――え、その、平次と申す者で」

「もう遅いぞ、明日出直して参れ」

お勝手にいる爺仁は、恐ろしく威猛高です。

「そうおっしゃらずに、ちょいとお取次を願います。御用人様は、きっと御逢い下さいます」

「いやな奴だな、ここを何と心得る」

「ヘエ、吉田様のお勝手口で」

どうもこの押し問答は平次の勝です。

やがて通されたのは、内玄関の突当りの小部屋。

「私は用人の後閑武兵衛じゃが――平次というのはお前か」

六十年配の穏やかな仁体です。

「ヘエ、私は左官の伊之助の弟でございますが、兄の遺言で、今晩お伺いいたしました」