Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「それが解りゃ何もかも片付くが、それだけは解りませんよ」
「じゃもう一と息探ってくれ、皆川半之丞兄妹の身許だ、――兄妹じゃない、俺は夫婦だろうと思うが」
「ヘエ――」
「大急ぎで頼むよ」
「それじゃ、親分」
「ちょいと待ってくれ、手前は町内に顔を見知られていないから、この手紙を投り込んでくれ」
そう言いながら平次は、サラサラと一通。
「こりゃ、皆川半之丞宛ですね」
「永井家から出したようにしてある。この手紙をみると、いかな皆川半之丞でも、一刻は家を空けるよ」
「ヘエ――」
鋳掛勝は独楽鼠のように飛んで行きました。
それから煙草を二三服、懐中提灯の用意をして外へ出ると、幸いにトップリ黄昏れて、大して忍ばなくとも、人に顔を見られそうもありません。
皆川半之丞の浪宅の近所に網を張っていると、間もなく当の半之丞は、日頃の落着いた様子もなくせかせかと出て行きました。
それをやり過して、そっと滑り込んだ平次。二つの部屋には眼もくれず、いきなり裏木戸の方に向いた厳重そうな格子窓に手を掛けると、楽々とはずして中へ踏込みました。そこは三畳ばかりの板敷の納戸で、床板には何の変りもありませんが、隅に片寄せた渋紙をほぐすと、往来や、庭にあったような土が、ザラザラするほど畳込んであります。