Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
三
「脅かすわけじゃありませんが、この様子じゃ、もう一度入るかもわかりませんよ」
平次は一と通り見た上で、こんな不気味なことを言うのでした。
「そんな事は?」
中江川平太夫はさすがにギョッとした様子です。
「用心なすって下さい」
「私はこの通り身体がきかないから、気ばかりあせっても、何の役にも立たない。女子供じゃ、泥棒の入った後へ来るのは気味が悪いだろうし、――若い者じゃ、娘があるから泊めるわけに行かない。お気の毒だが平次殿、しばらくここへ泊っては下さらぬか、銭形の親分御宿と聞いたら、石川五右衛門でも寄り付くことではあるまい」
そんな洒落を言いながらも、中江川平太夫は泣き出しそうでした。
「そんなわけにも参りませんが、どうでしょう、この男を泊めて下すっちゃ、――年は若いが、これなら女護ヶ島へ転がしておいても大丈夫で」
平次はそう言いながら、ニヤリニヤリとガラッ八の鼻を指すのです。
「親分」
驚いたのは八五郎でした。
三
その晩から、ガラッ八は中江川平太夫の家に泊り込むことになりました。家が広いので、奥へは主人の平太夫、お勝手の側の居間にはお琴が一人、ガラッ八は店を直して格子をはめた表の部屋に宵から暁方までもぐり込むことになったのです。