Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.435 Zeichen · 329 Bildschirme
玉江嬢「苺のジャムは形のあるのが上等ですかね、悪いジャムを買いますと形が崩れて色が悪くって長く置くとお砂糖が舌へジャリジャリと当ります。あれは強い火で気短に煮たのだとおっしゃいましたね」お登和嬢「ハイそうです、アクを取ってしまったら何のジャムでも弱い火で気長に煮ないと後に砂糖がジャリジャリしていけません。赤茄子のジャムは売物にありませんからお家で沢山拵えておおきなさいまし。もっとも何ジャムでも菓物一斤即ち百二十目に砂糖一斤即ち百二十目という同じ割合にしてあるのは砂糖の防腐性を利用して長く持たせるためですから甘味が少し勝ち過ぎます。四、五日で食べ終るものはモット砂糖を少くしても構いません」玉江嬢「赤茄子のお料理なんぞは直段が廉くって何処の家でも出来ますからどんなに調法致しましょう。世人はとかく西洋料理を高いとか金がかかるとか申していけませんが赤茄子の二、三本も畑へ植えて色々なお料理にしたらこんな廉いものはありませんね」お登和嬢「そうですとも。赤茄子ばかりでありません、牛でも鳥でも魚でも廉い材料を使って美味しい御馳走を拵えるのが家庭料理の主意で、先日もイチボの徳用料理をお教え申しましたがイチボより廉い肉で一斤十八銭即ち二斤買っても三十六銭より出ない肉で美味しい料理が出来ますよ」