Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.435 Zeichen · 329 Bildschirme
第二百五十 牛の尾
そこで今度は四番目ですね、やっぱり肉料理ですが何に致しましょう」と嬢もまた思案を凝しぬ。
第二百五十 牛の尾
料理の献立は一段の工風を要す。お登和嬢漸く思案を定め「第四番目は直段の廉くって味の美味い牛の尾のシチューに致しましょう。牛の尾は一本十二銭位ですから十人前に二本使うとして二十四銭です。料理次第で大層美味くなるものです。それを截るのが少し面倒で、尾の骨の節から長さ一寸位ずつに截らなければなりません。細い処は上から節が見えますけれども肉の厚い太い所はどの辺が節だか慣れないとよく分りません。何でも上から指でよく押してみてこの辺が節だと思う処を肉切庖丁で截りますと節の処から楽に截れますが節でない処を截るとなかなか離れません。こうして截れたら骨の付いたまま水から四時間ほど湯煮ます。別の鍋へ例の通りバターを溶かしてメリケン粉を焦げるようによくいためてまた玉葱の刻んだのを一つその中でいためて狐色にして今湯煮た汁を一合と赤葡萄酒を一合注して塩胡椒で味をつけて、湯煮た尾を入れてまた一時間ほども弱い火で煮ます。出す時には骨付のまま皿へ盛ってパンの小さく切ったのをフライして周囲へ置きますが尾の肉が柔くなってなかなか美味うございます。