Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
我強い仙さんに引易え、気易の安さんは村でもうけがよい。安さんは五十位、色の浅黒い、眼のしょぼ/\した、何処やらのっぺりした男である。安さんは馬鹿を作って居る。夏着冬着ありたけの襤褸の十二一重をだらりと纏うて、破れしゃっぽのこともあり、黒い髪を長く額に垂らして居ることもあり、或は垢染みた手拭を頬冠りのこともある。下駄を片足、藁草履を片足、よく跛曳いてあるく。曾て穿きふるしの茶の運動靴をやったら、早速穿いて往ったが、十日たゝぬ内に最早跣足で来た。
江戸の者らしい。何時、如何な事情の下に乞食になったか、余程話を引出そうとしても、中々其手に乗らぬ。唯床屋をして居たと云う。剃刀の磨ぐのでもありませんか、とある時云うた。主人の髯は六七年来放任主義であまりうるさくなると剪で苅るばかりだし、主婦は嫁して来て十八年来一度も顔を剃ったことがないので、家には剃刀と云うものが無い。折角の安さんの親切も、無駄であった。然し剃刀があった処で、あの安さんの清潔な手では全く恐れ入る。
いつも門口に来ると、杖のさきでぱっ/\と塵を掃く真似をする。其響を聞いたばかりで、安さんと分った。