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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

火事の少ないのが寧不思議である。村々字々に消防はあるが、無論間に合う事じゃない。夜遊び帰りの誰かが火を見つけて、「おゝい、火事だよゥ」と呼わる。「火事だっさ、火事は何処だンべか、――火事だよゥ」と伝える。「火事だよう」「火事だァよゥ」彼方此方で消防の若者が聞きつけ、家に帰って火事袢纏を着て、村の真中の火の番小屋の錠をあけて消防道具を持出し、わッしょい/\駈けつける頃は、大概の火事は灰になって居る。人家が独立して周囲に立木がある為に、人家櫛比の街道筋を除いては、村の火事は滅多に大火にはならぬ。然し火の粉一つ飛んだらば、必焼けるにきまって居る。東京は火事があぶねえから、好い着物は預けとけや、と云って、東京の息子の家の目ぼしい着物を悉皆預って丸焼にした家もある。

梅は中々二月には咲かぬ。尤も南をうけた崖下の暖かい隈なぞには、ドウやらすると菫の一輪、紫に笑んで居ることもあるが、二月は中々寒い。下旬になると、雲雀が鳴きはじめる。チ、チ、チ、ドウやら雲雀が鳴いた様だと思うと、翌日は聞こえず、又の日いと明瞭に鳴き出す。あゝ雲雀が鳴いて居る。例令遠山は雪であろうとも、武蔵野の霜や氷は厚かろうとも、落葉木は皆裸で松の緑は黄ばみ杉の緑は鳶色に焦げて居ようとも、秩父颪は寒かろうとも、雲雀が鳴いて居る。