Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
畑勝ちの村では、田植は一仕事、「植田をしまうとさば/\するね」と皆が云う。雨間を見ては、苅り残りの麦も苅らねばならぬ。苅りおくれると、畑の麦が立ったまゝに粒から芽をふく。油断を見すまして作物其方退けに増長して来た草もとらねばならぬ。甘藷の蔓もかえさねばならぬ。陸稲や黍、稗、大豆の中耕もしなければならぬ。二番茶も摘まねばならぬ。お屋敷に叱られるので、東京の下肥ひきにも行かねばならぬ。時も時とて飯料の麦をきらしたので、水車に持て行って一晩寝ずの番をして搗いて来ねばならぬ。最早甲州の繭買が甲州街道に入り込んだ。今年は値が好くて、川端の岩さん家では、四円十五銭に売ったと云う噂が立つ。隣村の浜田さんも繭買をはじめた。工女の四五人入れて足踏器械で製糸をやる仙ちゃん、長さんも、即座師の鑑札を受けて繭買をはじめた。自家のお春っ子お兼っ子に一貫目何銭の掻き賃をくれて、大急ぎで掻いた繭を車に積んで、重い車を引張って此処其処相場を聞き合わせ、一銭でも高い買手をやっと見つけて、一切合切屑繭まで売ってのけて、手取が四十九円と二十五銭。夜の目も寝ずに五十両たらずかと思うても、矢張まとまった金だ。