Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
春は紫雲英の花氈を敷く。淋しい村を賑わして蛙が鳴く。朝露白い青田の涼しさも、黄なる日の光を震わして蝗飛ぶ秋の田の豊けさに伴うさま/″\の趣も、此水の賜ものである。こゝにこの水流るゝがために、水を好む野茨も心地よく其の涯に茂って、麦が熟れる頃は枝も撓に芳しい白い花を被る。薄紫の嫁菜の花や、薄紅の犬蓼や、いろ/\の秋の草花も美しい。鮒や鰌を子供が捕る。水底に影を曳いて、メダカが游ぐ。ドブンと音して蛙が飛び込む。稀にはしなやかな小さな十六盤橋を見せて、二尺五寸の蛇が渡る。田に入るとて水を堰く頃は、高八寸のナイヤガラが出来て、蛙の声にまぎらわしい音を立てる。玉川に行くかわりに子供はこゝで浴びる。「蘆の芽や田に入る水も隅田川」然だ。彼の村を流るゝ田川も、やはり玉川、玉川の孫であった。祖父様の玉川の水が出る頃は、この孫川の水も灰がゝった乳色になるのである。乞食は時々こゝに浴びる。去年の夏は照がつゞいたので、村居六年はじめて雨乞を見た。八幡に打寄って村の男衆が、神酒をあげ、「六根清浄………………懺悔」と叫んだあとで若い者が褌一つになって此二間幅の大川に飛び込み、肩から水を浴びて「六根清浄」