Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
御骨も折れようが御辛抱なさい、急いで立派な寺なぞ建てないで、と云って別を告げる。戸外に紫の蝦夷菊が咲いて居た。あとで聞けば、坊さんは越後者なる炭焼小屋の主人が招いたので、去年も五十円から出したそうだ。檀家一軒のお寺もゆかしいものである。
樺林を拓いて、また一軒、熊笹と玉蜀黍の稈で葺いた小舎がある。あたりには樺を伐ったり焼いたりして、黍など作ってある。関翁が大声で、「婆サン如何したかい、何故薬取りに来ない?」と怒鳴る。爺さんが出て来て挨拶する。婆さんは留守だった。十一二の男児が出て来る。翁は其肩をたゝき顔を覗き込むようにして「如何だ、関の爺を識ってるか。ウム、識ってるか」子供がにこ/\笑う。路は樺林をぬけて原に出る。霜枯れた草原に、野生松葉独活の実が紅玉を鏤めて居る。不図白木の鳥居が眼についた。見れば、子供が抱えて行って了いそうな小さな荒削りの祠が枯草の中に立って居る。誰が何時来て建てたのか。誰が何時来て拝むのか。西行ならばたしかに歌よむであろ。歌も句もなく原を過ぎて、崖の下、小さな流に沿うてまた一つ小屋がある。これが斗満最奥の人家で、駅逓から此処まで二里。