Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

去年の夏の休には富士山頂から画はがきをよこしたりした。

来たら留めて置いてくれとのはがきに接した時、いさゝか不審に思いは思いながら、まさか彼が生を見捨てようとは思わなかった。

角谷は十二日から三日間、例によって夏休をもろうた。十一日に貯金の全部百二十円を銀行から引出し、同店員で従兄に当る若者宛の遺書を認め、己がデスクの抽斗に入れた。其の遺書には、自分は十九歳を一期として父の許へ行く――父は前年郷里で死んだ――主人には申訳が無いから君から宜しく云うてくれ、荷物は北海道に居る母の許に送ってくれ、運賃として金五円封入して置く、不足したら店員某に七十二銭の貸しがあるから、其れで払ってくれ、と書いてあった。

十二日には、主人の出社を待って、暇乞して店を出で、麻布の伯父の家を訪うて二階に上り、一時間半程眠った。それから日比谷で写真を撮って、主人、伯父、郷里の兄、北海道の母に届く可く郵税一切払って置いた。日比谷から角谷は浅草に往った。浅草公園の銘酒屋に遊んで、田舎出の酌婦に貯蓄債券をやろうかなどゝ戯談を云った。彼は製本屋の職工から浅草、吉原の消息を聞いて居たのである。