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Japanische Klassiker mit Furigana

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme

Aozora Bunko

ピッ/\ピッ/\千鳥が鳴いて居る。

*

朝起きて顔を洗うと、余は宿の褞袍を引かけ、一同は旅の着物になって、茶ものまず見物に出かけた。宇治橋は雪の様な霜だ。ザクリ/\下駄の二の字のあとをつけて渡る。昔太閤様は此処から茶の水を汲ませたものだ、と案内者の口まねをしつゝ、彼出張った橋の欄間によりかゝって見下ろす。矢を射る如き川面からは、真白に水蒸気が立って居る。今も変らぬ柴舟が、見る/\橋の下を伏見の方へ下って行く。朝日山から朝日が出かゝった。橋を渡ってまだ戸を開けたばかりの通円茶屋の横手から東へ切れ込み、興聖寺の方に歩む。美しい黄の色が眼を射ると思えば、小さな店に柚子が小山と積んである。何と云う種類か知らぬが、朱欒程もある大きなものだ。旅先ながら看過し難くて、二銭五厘宛で五個買い、万碧楼に届けてもらう。

興聖寺の石門は南面して正に宇治の急流に対して居る。岩を截り開いた琴阪とか云う嶝道を上って行く。左右の崖から紅に黄に染みた槭が枝をさしのべ落葉を散らして、頭上は錦、足も錦を踏んで行く。一丁も上って唐風の小門に来た。此処から来路を見かえると、額縁めいた洞門に劃られた宇治川の流れの断片が見える。