Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
婿入の時、肝腎の婿さんが厚い下唇を突出したまま戸口もとにポカンと立って居るので、皆ドッと笑い出した。久太郎が彼の名であった。
久さんに一人の義弟があった。久さんが生れて間もなく、村の櫟林に棄児があった。農村には人手が宝である。石山の爺さんが右の棄児を引受けて育てた。棄児は大きくなって、名を稲次郎と云った。彼の養父、久さんの実父は、一人前に足りぬ可愛の息子が行く/\の力にもなれと、稲次郎の為に新家の近くに小さな家を建て彼にも妻をもたした。
ある年の正月、石山の爺さんは年始に行くと家を出たきり行方不明になった。探がし探がした結果、彼は吉祥寺、境間の鉄道線路の土をとった穴の中に真裸になって死んで居た。彼は酒が好きだった。年始の酒に酔って穴の中に倒れ凍死んだのを物取りが来て剥いだか、それとも追剥が殺して着物を剥いだか、死骸は何も告げなかった。彼は新家の直ぐ西隣にある墓地に葬られた。
主翁が死んで、石山の新家はの天下になった。誰も久さんの家とは云わず、宮前のお広さんの家と云った。宮前は八幡前を謂うたのである。外交も内政も彼女の手と口とでやってのけた。彼女は相応に久さんを可愛がって面倒を見てやったが、無論亭主とは思わなかった。