Japanische Klassiker mit Furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
おほほ……」
けたたましい笑い声は、セントルイスのマダムの夏子の癖であったが、陽子はそんなことは知らずあざ笑われたように思った。
電話が掛かることを承知していながら、わざと「女の子」と出てしまうなんて、ばかにされたような気がした。
「いいわ」
もう京ちゃんなんかと二度と口をきくものか、靴なんかどうでもいい、はだしで歩く――と、陽子は真青になって警察を飛び出しかけたが、しかし、まさかはだしで歩けない。警察の小使が草履を貸してくれたので、それをはいて、出ると、その足ですぐ木崎を訪ねることにした。
茉莉のアパートへも寄らなかったのは、チマ子に頼まれた用事を少しでも早く果さねばと思ったからであった。もっとも、木崎には陽子自身も会わねばならぬ用事があった。
ところが円山公園まで来ると、占領軍の家族から写真を撮らせてくれと言われた。
「あたしは昨夜から写真ばっかり撮られている」
悲しい偶然だと呟きながら、改めて草履ばきのみじめさに赧くなって、
「ノーノー。アイム・ソリイー。エキュスキューズ・ミイ」
ブロークンの英語を使って断ろうとしたが、結局写された。が、その代り、彼等はお礼の意味で、ジープで送ってやろうと言ってくれた。