Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
ある夜、大阪の中之島公園で拾った娘に、北山は恋心めいた情熱を感じた。ところが、無理をして二三度会うているうちに、右の眼の下にアザのあるその娘はふいに中之島公園に現われなくなった。大阪駅前の闇の女の群の中にも見当らなかった。難波や心斎橋附近の夜の場所も空しく探したあげく、検挙されたのだろうか。病気だろうかと心配していると、ある日その娘から手紙が来て、
――大阪は何かときびしくなったので、京都へ来て働いている。こんどの日曜日、三時半に四条河原町の横町のセントルイスという店で待っているから来てくれ――という。
飛び立つ思いとはこのことだと北山は日曜日が来ると、朝のうちにもう京都へついた。そして駅前で靴磨きに生れてはじめて靴を磨かせた。ところが、磨き終って金を払おうとするとズボンの尻のポケットに入れて置いた財布を掏られていることに気がついた。金がなくてはもう娘にも会えない。魂が抜けたようになって河原町通りを歩いていると、朝日ビルの前で靴を磨かせている若い男のズボンの尻から財布がはみ出していた。急に魔がさした。はっと思った途端、北山の手は伸びていた……。