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Japanische Klassiker mit Furigana

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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

それだけの気位の高さは持っていたのだ。ところが、章三を見ると、もう靴どころではなく、はだしという、自尊心から言っても人に見せたくない醜態を演じてしまったとは、何としたことであろう。

京都へ逃げて来ていることを、一番知られたくない章三に見つかってしまったという狼狽にはちがいなかったが、しかし、それも章三という男だけには、何かかなわないという気持があったからであろう。何かジリジリとした粘り強い迫力に、みこまれているようだった。だから肩を掴んだ背後の男を、章三だと……。しかし、振り向くと、巡査であった。

「何をしてるんだ……?」

「はア……?」

咄嗟に意味は判らなかった。

「今時分、何をしてるんだと、きいとるんだ」

「歩いているんです」

むっとして答えると、巡査もむっとして、

「歩いてることは判ってる。寝てるとは言っとらん。何のために歩いとるんだ……?」

「家へ帰るんです」

「家はどこだ……?」

「京都ホテルの裏のアパートです」

章三に居所を知られたくないという無意識な気持から茉莉のアパートの所を言った。

「今時分まで、何をしとった……?」

「お友達のお通夜に行っていました」