Japanische Klassiker mit Furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
そして今も……、十二の娘にあるまじい熱っぽい眼が、何か不可解で仕方がなかったのだ。しかも、それがなぜか得体の知れぬ不思議な魅力であった。
「兄ちゃん、右の足とかえて!」
キョトンとしていた京吉は、娘に言われて、あわてて右足を出した。いつも左の足から磨かせているのは、ダンスの習慣で左足を先に出しているからであろう。
「ああ、もうそれでいい」
いつもより念入りに磨いている娘の、鼻の上の汗を見ると、可哀相になって、金を払おうとすると、
「お金いらないわ。お兄ちゃんはただにしとく」
ハアハア息を弾ませながら、娘は言った。
「ホールじゃあるめえし、――いや、ホールでももうただで踊るのは、おれこりたよ」
払うよと、あちこちポケットを探ったが、財布の手ごたえがない。
「なんだ、掏られてやがらア」
苦笑したが、べつに悲しそうな顔も見せず、
「――明日まとめて払うから、貸しといてくれ。済まん、済まん。じゃ、また……」
歩き出して、三条通りを横切ろうとしたが、ジープが来たので、足を停めて待っていると、
「兄ちゃん!」
娘が追いついて来て、腕にすがりついた。
「――あたいも一緒に行く!」