Japanische Klassiker mit Furigana
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どようふじん
土曜夫人
織田 作之助
Lesen Sie 土曜夫人 (どようふじん) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.903 Zeichen · 213 Bildschirme
そう章三は観察していた。
いわば、マッチの軸のように魅力がない。しかし、その陽子にジイーッと音を立てて燃える感じがあると、章三が思うのは、軸を手に持って、スッと擦る時の残酷めいたスリルに自尊心の快感を予想するからであろう。爪楊枝がマッチの軸を焼き亡ぼしてしまうのだ。そして、そんな野心がふと恋心めいた情熱に変っているのだから、所謂男の心は公式では割り切れない。
火のついた軸から、ふと眼をはなして、章三は貴子を見た。貴子は昨夜のショートパンツではなかった。二十の娘が着るような花模様のワンピースを着ていた。エキゾチシズムからエロチシズムへ、そして日曜日の朝は、豚肉のあとの新鮮な果物のような少女趣味!
章三の頭に陽子が浮んでいなかったら、この貴子の計算も効果があったかも知れない。
「東京でキャバレエやろうという話あるんだけど……」
章三から金を出させようと思っているのだ。
「…………」
「何だか、銀座でいい場所らしいから、今夜行って見て来ようと思うんだけど……」
「誰と……?」
「ああ、お友達、来てるのよ。あとで会ってあげてね。ちょっと綺麗よ」
「それより、ゆうべ乗竹のとこへ来てた女、あれどこの女や」