Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「黒船がかエ」
「ええ、そこへもってきて、あのマドロスの奴が、だらしがないんでしょう、言葉がわからないし、あの面構えで、鶏を盗んだりなんかするもんだから、あれは切支丹の、魔法使いの毛唐だと言ってるんですとさ」
「マドロス君もよくない!」
「よくはないけれども、そんな根強い悪人でもなんでもないのよ、たあいない男なのよ。それを憎んで、あいつを取捕まえて焼き殺してやれ、メリケンの国では、黒人を取捕まえると焼き殺してしまうんだから、日本でも毛唐を取捕まえて焼き殺したってかまわねえ……なんて、この頃中からマドロスを、土地のバクチ打や、ならず者が狙っていたんですとさ」
こんな話を、茂太郎は、兵部の娘から聞かされたのは、ここへ飛び出して来る、少し前のことでした。
マドロスがこの娘に対して暴行を働き、行方不明になっていたこと、それが一旦捕まって、村民のためにまたさらわれて行ったこと、それはもう少し以前のことでしたが、茂太郎も、マドロスにはもう多少の憎悪をさえ感じていたのだから、あんまり心配もしてやらないでいたのに、ここへ来て天神山の火を見ると、紅色をした鮮かな火焔の色と、スッテン童子の髪の毛とを思い出しました。