Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

がんどうをつきつけりゃあ向うも驚かあ、向って来たら、こっちもがんりきだから、一番飛騨の高山の辻斬の斬りっぷりを見てやろうじゃねえかという、いたずら心充分でやった仕事なのに――意地にも、我慢にも、ああのしかかられては逃げ足が先で、見栄も外聞もなくここまで突走らされ、こうして立ちすくんだのは、いったいどうしたというのだ。

五十七

考えてみれば夢だ、幽霊を見たんだ、お化けにおどかされて逃げたんだ、ばかばかしさこの上なし。気の毒千万なのは屑屋のおやじよ、あわてて井戸へおっこったらしいが、危ないこった。それをみすみす、手を出してやることもできねえで、命からがら、ここまで逃げのびたがんりきの心根が、自分ながらつくづく不憫でたまらねえ。がんりきの百ともあるべきものが、飛騨の高山へ来て、辻斬のお化けにおどかされたとあっては、もうこの面は東海道の風にゃ吹かせられねえ――憚りながら、このがんりきの百蔵は、見てくんな、こうして右の片腕が一本足りねえんだぜ、向う傷なんだ。この片一方の腕に対しても、面が合わせられねえ仕儀さ。何とかしてこの腹癒せをしねえことには、この虫がおさまらねえ。