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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

どう見ても、紙屑買い以外の何者であるとも思われません。なるほど、早立ちをしてここへ来ると、吾々の物言いを見て、物蔭に避けていたのが、痴話が長いので、堪え兼ねて飛び出したのかも知らん。そうだと思えば、そうも受取れる。それにしても、怪しいといえば怪しいとも思われる。

そこで、兵馬は抑えながら、懐中へ手を当ててみて、

「何も持っておらんな」

「この通り、仕入れの財布だけでございます」

「そうか」

憮然として、兵馬も、この者を放ちやるほかはないと決めた時、一方の柳の木の方で女が、

「おや、あなたはどなた?」

と言ったのが、兵馬の耳には聞えませんでした。

六十七

兵馬が、紙屑買いを糺問していることの瞬間、後ろの女のことは暫く忘れておりました。

忘れて置いても安心というところまで、介抱が届いていたからではあるが、この怪しの者を、最初から屑屋なら屑屋と見定めてかかれば何のことはなかったのですが、事の体が、充分に嫌疑を置くべき挙動でしたから、多少の手数を以てしても、突きとめるだけは突きとめねばならぬなりゆきに迫られたのです。

そうしている間、例の後ろの高札場と、その傍えなる歯の抜けた老女のような枯柳が、立派に三枚目の役をつとめました。