Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

七十二

いつも、お松の提言に不同意を唱えたことのない与八、お松が案を立て、与八が実行する。

お松が、与八に相談なしにする仕事はあっても、与八から一応、お松の諒解を求めないということはないことになっている。

それに今晩のお松の提案は、今までの提案中の提案で、ここの生活に革命を生ずるとはいうものの、その革命は、生木を裂くようなものではなく、極めて多望満々たる好転である。すべてにとって、天来の福音であって、且つ、実行をして些かの危なげのないことをお松が信じているから、それで、いつもよりは、一層の晴々しさをもって、与八に提言してみたのは、むろん与八も二つ返事と信じきっていたのに、今晩に限って、この最良最善の提言を、与八の口から、仮りにも不同意に類する言を聞いたのは、意外中の意外でありました。

そこで、お松はしばらく文句がつげなかったのですが、やがて、

「どうして……どうして与八さん、どう考えたのです」

「どうしてって、お松さん、ほんとうに済まねえが、今の話に、おいらだけは別物にしてもらいてえのだが」

「別物にして、お前さん、それでは、わたしたちと一緒に、房州の駒井様のところへ行くのはいやなの?」