Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
お松はたまり兼ねて、その時言いました、
「与八さん、お前は、何をそれほどまでにして、罪ほろぼしをしなけりゃならないほどの罪をつくったの?」
七十四
お松が力を尽し、言葉を極めての説得も、ついに与八の志を翻すことができませんでした。
それでも、お松の方もまた、与八ひとりのために、この幸福と、必然とを取逃がすわけにはゆかない人間以上の引力を、如何ともすることができません。
そこで、おたがいに泣きの涙で、おたがいの導かるる方、志す方に向わねばならない羽目となったのは、予想外中の予想外で、そうして、なにもそれをしなければ、直接の生命に関するというわけではないにかかわらず、そうさせられて行く力の前に、二人が如何とも争うことができなかったのです。
翌日から、泣き泣きすべての出発の用意と、あとを整理することとに、働きづめであります。
あとを濁さないように――というお松の日頃の心がけは、この際に最もよく現われ、いつも蔭日向のない与八の心情もまた、こういう際によくうつります。
持ち行くべきものは持ち行くように、あとに残して、蔵うべきものは蔵うようにしているうち、お松が一つの葛籠の中から、一包みの品を見出して、与八に渡しました。