Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
与八は、今、室内の掃除をしています――掃除と共に物の整理です。整理というけれど、それはもう、ほとんど全部、お松の手で整理され尽していたから、いま、与八が整理にかかっているのは、与八の分として残されたものの整理です。それでも与八のために残された、当然、与八の所有物として残されたもののうち、大部分は人に分けてやってしまいましたから、今は、そう多分のものではなかったが、それを与八は、すべて一括してしまいました。
一括して、どうするかと見れば、裏山へ持って行って、穴を掘って、その中へ投げ込んで暫く見ていました。その間というもの、郁太郎は絶えず与八に付ききりです。与八が母屋へ帰れば母屋、裏庭に出れば裏庭、道場へ戻れば道場――郁太郎は、絶えず与八につきつ纏いつしていたけれど、静かなもので、ほとんど一言も口をきくようなことはないのです。
そこで、屋敷のうちは、いよいよ静かなものでしたが、裏庭へ穴を掘って与八は、一括したものを投げ込んだが、その上へ萱と柴を載せて、火をつけてしまいました。
その火が、軽く燃え上ったところを、与八と、郁太郎が、静かに眺めていたのは夕方のことです。