Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、古屋敷の中で、草に隠れた古井戸へ片足を突込んだように、主膳をして一種の不安と、今までとは違った不快な思いで、胸をカッとさせたものは、例の額のあの古傷です。

こいつが――そもそもこの古傷が、こうも自分を不愉快なものにしてしまったのだ。銭がいやなのではない、遊びが面白くないのではない、みんなこの額の刻印が、自分というものを刑余の入墨者同様な、卑屈な日蔭者にしてしまったのだ。

ちぇっ!

こいつが――この傷が、これがあるおかげで、この生れもつかない眼が一つ殖えたおかげで、おれの半生涯が、すっかり暗くなってしまった。

八十一

主膳は、むらむらとして、その時に、かの弁信法師なる者に対しての渾身の憎悪を、如何ともすることができません。

あいつさえ無ければ、あのこましゃくれた、お喋りの坊主の、ロクでなしさえ無ければ、こんなことにはならなかったのだ、自分の面体に生れもつかぬ刻印を打ち込んで、入墨者同様の身にしてしまったのは、あのこましゃくれた、お喋りの小坊主の為せる業ではないか――主膳がその時のことを思い出して怒ると、額の真中の牡丹餅大の古傷が、パックリ口をあいて、火炎を吐くもののようです。