Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「それ、面を出せ、横ッ面を……」

「はい、なるべく、どうか、そのヘボン式というやつで」

「いいか」

「是非に及びませぬ、こんなことだろうと思って、家を出る時に、女房子と水盃をして出て参りました」

「泣くな」

「泣きゃいたしませぬ」

金助は覚悟をして、なめくじのような恰好をし、頬のところを主膳の方に差向けて、すっぱい面をしながら、

「いつぞやは、御新造様に打たれました、あれはあまり痛みませんでございました。その前は女軽業の親方に打たれましたが、女とはいえあの方は、ちっと薬が強うございました。女とは申せ、あの女軽業の親方なんぞは気が荒うげすからな、自然、痛みの方も激しうげしたが、そこはそれ、痛みが強いだけ、利き目の方もたしかなものでげしてな、この風通と、このお召と、それから別にお小遣が若干……」

「たわごとを言うな、それ、行くぞ」

神尾主膳は、思い切って金助の横っ面を、ピシャリと食わしたが、

「あっ!」

その途端、金助は仰山に後ろへひっくり返る。平手で横っ面をひっぱたかれたにしては、手当りが少し変だと思うも道理、金助が横ッ倒れに倒れた周囲には、山吹色の木の葉のようなものが、あたりまばゆく散乱していたから、眼の色を変えて起き直り、