Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「は、は、は、は」
神尾主膳が三度目に笑ったのは、それは少し凄味が欠けて、和気が加わったようです。
つまり、前の笑い方は、怖るべき酒乱の前兆としての高笑いでしたけれど、今度のは、滑稽噴飯が加わってのおかしさから来ている笑いが多分のようです。それは大女の恐怖と、狼狽ぶりが、あまりに仰山であったからでしょう。
これより先、下の座敷では、いったん出かけて行った金公が、またコソコソと立戻って来て、お倉婆あと内密話を試みている。
その内容というのは、今日、人に誘われて、築地の異人館へ見物に行ったが、万事なかなか大がかりなものであること。ところで、その異人館の大番頭が、らしゃめんの口を一つ欲しがっている。そいつをひとつ、桂庵をつとめて儲けようと思うんだが、なんとおっかさん、お前に一肌脱いでもらいてえというのはそこなんだよ、ということにあるらしい。
「そいつは耳よりだね」
慾に目のないお倉婆あが、耳をふくらませると、金公が続いて、一口にらしゃめんというけれど、いかに西洋人の相手になることが、へたな日本人の相手になることよりも、有利な事業であるかを説いて、お倉婆あの耳をいよいよふくらませる。