Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「モシ、わたしのお父さんが通りましたら、お知らせ下さいましな、ツイ、わたしが見はぐれるといけませんから、どうぞあなた様にもお願いいたします」
「でも、わたしはお前のお父様を知りませんよ」
と、お銀様が正面を切りながら答えたのは当然でした。
「わたしのお父さんは、色が黒い方で、背は低い方で、身体も痩せていますが、ただ、この額のところから頬のところへかけて、大きな創がございます、若い時に、木を伐りに行って怪我をした大きな創がございます」
数珠で自分の額を撫で、こう言いながら、またお銀様の面を見上げました。その時にお銀様は、自分の面をそむけるような形で、
「では、お前さんの方で気がつかないうちに、お父さんがお前さんを見つけるでしょう」
「いいえ、お父さんは、わたしが迎えに来ているということを知らないでしょう」
「それでは、大きな声で呼んでごらんなさい」
「でも……」
小さな尼は口籠って、
「でも、お父さんを呼びかけることが、あの人の為めにならないかも知れません……どうぞ後生ですから、小柄な、面の黒い、そうして額際から頬へかけて大きな創のある人にお気がつきましたら、おっしゃって下さい、わたしも一生懸命見ていますから」