Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
ところで、日本の国が今、西になるか、東になるか、外国に取られるか、取られないかの境だというが、異人さんの方の説では、なあに異人だって、日本の国を取ろうというつもりはないそうで、日本の国と商売ができさえすればいいんだから、異人も相談して、なるべく日本の国を乱さないように骨を折っているということだ。
そこで、日本の国の政治がどっちへどうなろうとも、やがて落着けば、一切、異人相手の仕事ということになるはきまっている。だから、もう自分は将来、専ら異人向きの商売をと決心してしまいました。
その商売のうちにも、鉄砲や軍艦ばかり、売ったり買ったりしているのが商売ではない、ゆくゆくは、向うに無い品物と、こっちに有り余る品物との交易が、盛んになるにきまっている、そこが目のつけどころなんです。
現に異人はシルク、シルクと言って、日本の絹をばかに好くんですね、そこでわたしは、日本中の絹と生糸を買い占めて、異人に売り込んだら、ずいぶん大仕事ができると見込みましたよ。幸い、わたしの生れた甲州や、その隣りの信州なんぞでは、田舎家で一軒として蚕を飼って糸をとらないところはありませんからね、島田糸なんぞにして家で着用にしたり、その残りは八王子だとか、上州だとか、機場所へ売り出すんですが、あれを買い占めて浜から異国へ積出すんですね。