Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
その辺は一切、御心配なく、どうか一刻も早くこの場を御避難下さるように。
七兵衛のいうところに理があるのみならず、こうして立ち話をしている間にも、寄手の人数が続々と増して来るのは明らかで、今までなるべく暗くしていたのが、爆竹のように焚火をはじめたかと思うと、また轟然たる響、大砲ではない、花火をまたしても打ち込んで、物置の裏あたりへ来て爆発させたもののようです。
同時に、今まで声を立てなかったムクの凄まじい吠え声が起りました。その声は、攻めていいのか、守っていいのか、大将の命令を促す吠え声なのです。つまり、群がる寄手の中へ走り込んで戦うべきであるか、或いは主従この場をお立退きならば、不肖ながら拙者がその先導なり、殿なり勤めまする、いずれにしても猶予は禁物――との陣触れを、七兵衛と呼応して促すものにちがいありませんから、駒井も決心しました。
まもなく、七兵衛の献策通り、ムクを先導に、駒井とマドロスとが前後に警衛となって、楽しい晩餐の席の女子供のすべてが、造船所へ向って闇の中を急ぐのを見ました。同時に、番所に踏み止まった七兵衛は、どういう了見か、今まで暗くしてあった大手の方へ向いた番所の室々へすっかり明りを点けて明るくしてしまい、自分はその部屋部屋を走せ廻って、処分の残るものはないか、大切の品であるべくして置き忘れ