Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
村人が総出で、ただいま、勿来の古関のあとへ、雲突くばかりの怪盗が現われて、若い娘を脅して、その後生大事な髪飾りを強奪した、そういう奴を許してはおけない、ということで、それが勿来の関に向って押しかけて来るところへ、白雲が、この被害品を小腋にして、悠々として下りて来たから、血気盛んな村の者が、かえって出鼻をくじかれているのを、
「怪しいものじゃありませんよ、君たち、拙者は絵師です、旅の絵かきでござる、安心しなさい」
と、まず安心させておいてから、白雲は、
「野州足利の田山白雲という絵かきが拙者です、君たちの心配する目的物はこれだろう」
と言って、例の香箱を目先に突きつけ、
「は、は、は、娘さんが少々、狼狽したのだ、よく、あらためて、当人に返しておやりなさい」
村人は、突きつけられた香箱を前にして、目をパチクリやっているが、この男が、自分たちの予期した悪漢ではない、ということだけの合点は行ったらしい。
「でも、絵師のようじゃねえぜ」
とささやく者がある。
「浪人者のようだなあ」
という批評も聞える。
「二本差した絵かきなんていうものがあるべえか」
「浪人者じゃねえかのう」