Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

その時に、外で、

「こんにちは……」

おとなしやかにおとなう人の声。

「どなた」

お雪ちゃんはまだ蒲団を離れないで返事をします。

「鶴寿堂でございます、貸本屋でございます」

「貸本屋さん――」

お雪は立ち上りました。

立って障子をあけた時分には、貸本屋の番頭、一目見たところで、それはイヤなおばさんの男妾として知られた浅吉さんの生れかわりではないか――誰も驚かされるほどよく似た若い番頭風の男、萌黄色の箱風呂敷を手に提げて、もう縁を上って、座敷へ廻ってしまいました。ぜひなくお雪ちゃんは、

「こっちへおいでなさいまし」

「はい、御免下さいまし」

「雪になりましたね」

「はい、たいしたことはございますまい」

「鶴寿堂さん、この間の義士伝はたいそう面白うございました」

「お気に召しまして有難う存じます、今日はまた新しいのを持って参りましたから、御贔屓をお願いいたしとうございます」

と言って、もう番頭は包みを解きかける。お雪ちゃんは炬燵のところへ戻って、その間には金屏風がさし出ているから、番頭はその外に、竜之助は全く金屏風の竹と椿の中に没入してしまっていて見られません。

包みを解いて取り出した貸本の二冊、三冊――