Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

娘の子が逃げ込んで来て、一生懸命に抑えているのは、廊下からの一方に、それとは全く違った大戸の方でしきりに胡見沢は騒いでいるのだから、女の子にとっては、努力甲斐のないことがかえって幸いでもある――

それでも、その戸口を抑えた手はちっとも放さないで、ようやくこちらを振返り見るの余裕だけを得ました。

そうすると、ほとんど有るか無きかの朧ろな神前の燈明の光にかすけく、そこに自分よりも最初に立っている一個の人影を認めました。しかもその人影は、手に白刃を提げて立っていることに渾身から驚いて、わななかずにはおられません。

娘の子としては、それが追いかけて来た人とは別人であることは一見して分ったけれども、すでに人が内部に存在している以上は、前狼後虎というものである。もう絶体絶命で、遁れようとしてものがれられるものではない――

南無阿弥陀仏、女の子は目をつぶって、その抑えた戸口にしがみついてしまいました。

ところが、内には白刃を提げて立っているその人は、透かさず自分に向って飛びかかって来るでもなく、おどかしつけるでもなく、何の音沙汰もないのに、一方、その大戸の方の戸をしきりにガタつかせていた追手の胡見沢は、それもあぐみ果ててしまったと見え、