Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「いいえ、そうじゃありません、明日は磔刑を見に行こうかと思います」

「えッ、磔刑?」

さすがのお角さんも、このごろはどうも度胆を抜かれ通しです。

「磔刑がどちらにございますんですか」

「土器野というところにあるそうですから、ぜひそれを見て立ちたいものです」

「まあ、土器野に、どんな奴が磔刑にかかるんでございますかねえ」

「それは、この近在の味鋺というところに生れた子鉄という強盗なのです」

「まあ――」

お角さんはお銀様の横顔を見ました。

呆れているのです。

何というイヤなことを言うお嬢様だろう。平常おすすめ申してもなかなか人中へはお出なさらないくせに、明日という日は、進んで磔刑のおしおきを見物に行くのだという。いったい、誰がそんなことをこのお嬢様に焚きつけたのだ、縁起でもない!

お角さんは、腹の中から縁起でもないと感じました。

お角さんは、あれほど太っ腹な女のくせに、こんなことにかけては感情が細かいので、不吉なものや、不浄なものをいやがり怖れることが普通以上なのは、一つは商売柄であるところへ、女の弱気の方だけがその辺に集まるものですから、御多分に漏れぬ大のかつぎ屋なのです。