Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

には、てんでに里へ帰って真黒になって稼ぐのだ、ここは暫く歓楽の世界、苦い顔をすることはない、人のするように自分もやれ、それがええじゃないか、ええじゃないか。

高山でちょっと手を焼いたがんりきの百なんぞも、こんなところこそあいつの壇場であるべきはずだから、きっと、どこにか姿を見せて、湯気の後ろから山国の女の肌目の荒い細かいを覘っていそうなものだが、さていずれを見渡しても当時、この平湯には奴の姿が見えないのは抜かりだとは思われるが、あいつは本来、温泉場は鬼門なので、温泉が嫌いなわけではないが、あいつの肌が駄目なのだ、いや、肌は自慢で見せたいくらいなんだが、五体の中の一部が人様の前へは出せないことになっている、すなわち、研いでも、つくろっても、どうにもならない右の腕の筒切りにされている附根の不恰好というものが、がんりきの百の野郎ほどの図々しい面の皮を以てして、はりかくすことのできないという弱味が、人様の前で裸体を見せることを遠慮せしめるという、しおらしい次第になる。

ですから、百はいかに目下の飛騨の平湯が肉慾の天国であっても、そこで衆と共に快楽を共にすることができないということになっているのは、あいつにとって悲惨の至りと言わねばならぬ。