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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「左様さ、吾妻山の高さは、高くて五尺五寸というところだろう」

「ナニ?」

「吾妻山の高さは五尺五寸だ」

「五尺五寸とは何だ」

田山白雲が威丈高になりました。

それはこの青年に対して、あまり大人げないようでしたけれども、酒興に乗じたとはいえ、高さ五尺五寸の高山とは、この青二才、人を愚弄した挨拶だ、と憤慨したのも無理はありません。

そこで、白雲が、いきなり猿臂をのばしたのは、この青二才をなぐろうとしたのです。

「まあ、待ち給え」

と青年武士は、白雲の憤慨を軽く受けとめて、微笑を含みながら次の如く言いました。

「拙者の家の書斎の窓は六尺だ、その六尺の窓から見ると、吾妻山の全体が見えて、まだ四五寸余る、それによって測量すると、あの山の高さは、まさに五尺四五寸のものだろうと思う」

「ハ、ハ、ハ、ハ」

嬉しそうに笑ったのは、この家の主人です。

「それは全く間違いのない測量でございます、六尺の窓へ入りきる山は、五尺四五寸以下でなければなりますまい」

そこで、白雲がまた白まされてしまいました、これは喧嘩にならないと思いました。

同時にこの青年は、鬱屈たる怪物であると共に、湧くが如き才物であることを、思わせられて、どのみち、非凡の男には相違ないが、どうも非凡過ぎるところがあると、それが気になり出してきました。