Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

逃げ出した方向は、もと来た方をめざしたのでしょうが、前後が動顛していたものと見え、四人とも一度に杉の木立の崖の下へ転び落ち、落ち重なり走るものと、また急速度で落ち込むものとがあるようでしたが、暫くして烈しい砂辷りがあって、水に落ちた物音が聞えました。

「あ、は、は、は、は」

仏頂寺弥助の高笑いしたのが、こだまに響くと、

「虫めら――」

丸山勇仙があざ笑う声もよく聞えます。

さてこれから、乗り主の吟味にかかるのだ。仏頂寺、丸山が窮しての末、夜盗追剥の類にまで堕落したとすれば、当然、次の段取りは、駕籠の中に向って、強面の合力を申し入れるか、或いは身ぐるみ脱いで置いて行けとかの型になるのだが、その事はなく、高笑いした仏頂寺は存外なごやかな声で、

「これは失礼いたしました、拙者共はなにも、人を嚇し、物を掠めようとして駕籠先をおかしたのではござらぬ、時ならぬ時に、急ぎようが尋常でないから、仔細ぞあらんとお呼びとめ申してみたまでの分じゃ、それを駕籠屋ども、無茶に驚きよって雲助霞助と逃げかかったは笑止千万、乗主殿にはさだめて御迷惑でござろうが、悪意はござらぬ、ふしょうさっしゃい」