Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme
「どういたしまして、どうせ夜が明けるか、斬られて死骸だけ帰るか――それくらいの覚悟はいたして参りました」
と平次。
「大層いさぎよい事だが、左様な心配はあるまい――ところで、その迷子札じゃ。私の一存で、この場で買い取ろうと思う、どうじゃ、これぐらいでは」
出したのは二十五両包の小判が四つ。
「…………」
「不足かな」
「…………」
「これっきり忘れてくれるなら、この倍出してもよいが」
武兵衛はこの取引の成功を疑ってもいない様子です。
「御用人様、私は金が欲しくて参ったのじゃございません」
「何だと」
平次の言葉の予想外さ。
「百両二百両はおろか、千両箱を積んでもこの迷子札は売りゃしません――乙松という倅を頂戴して、兄伊之助の後を立てさえすれば、それでよいので」
「それは言い掛りというものだろう、平次とやら」
「…………」
「私に免じて、我慢をしてくれぬか、この通り」
後閑武兵衛は畳へ手を落すのでした。
「それじゃ、一日考えさして下さいまし。姪のお北とも相談をして、明日の晩また参りましょう」
平次は目的が達した様子でした。迷子札を懐へ入れると、丁寧に暇を告げて、用心深く屋敷の外へ出ました。