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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「お心当りは、皆川様」

「何にもない――」

半之丞は固く口を緘みました。

「血の凝まった様子では夜中前のようですが」

「そうかも知れない、が、私は早寝だから、何にも知らなかった。――今朝起きてみると、縁側の戸は開けたまま、朝陽がさし込んでいたが、多分、妹が朝の支度でもしている事と思い込んで、うっかり時刻を過してしまった」

そう言う皆川半之丞の顔には、夕立雲のように深刻な悲しみが去来します。

「人に怨まれるようなお心当りは?」

「ない」

半之丞の調子は少しけんもホロロです。

「そう申しては何ですが、――御妹様はこの御きりょうで、さぞ何かと言う人も多いことでございましょう、殿方とのお噂などは?」

「とんでもない、妹に限って、そんな馬鹿なことがあるわけはない」

半之丞の口調は激越でした。言い知れぬ忿怒が、サッとその秀麗な顔を染めるのでした。

「もう一つ伺いますが、御妹様は、旦那と本当の御兄妹でしょうか」

「ウム」

気むつかしくうなずく半之丞を、平次はもう追及する気もない様子です。

「恐れ入りますが、お家の中の様子を見せて頂きます」

「それは――」

引留めそうにする皆川半之丞の様子に構わず、平次はもう縁側から上がっておりました。