Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

「…………」

「仕方がないから、落しの中の、石畳の下に、虎の子を隠してあることを言いました。すると、私の胸倉を掴んだまま行って、落しを開けて黄八丈の財布に入れた、百二十両の小判を取出し、憎らしいじゃありませんか、悠々と勘定までして自分の懐に入れ、それから元の部屋に帰ると、もう一度脇差を抜いて、この私を――」

女隠居は自分の喉のあたりを指しながら、恐怖に絶句したのです。

「それから」

「どうせ、姿を見られると、決して助けてはおかない泥棒だと聞いていたので、私も観念しました。――観念したくないにも、声が出なかったのです。思わず念仏を称えると、泥棒はあわてて私の胸倉を突放し、蒲団の中へ私を押込んで、裏口から飛ぶように逃出してしまいました」

「外で物音でもしたのかい」

「物音がしたかも知れませんが、私には聞えません。私はもう生きた心地もなかったので、聞落したのでしょう。泥棒があんなにあわてるところを見ると、人声か足音か、何か聞えたに違いありません」

「時刻は?」

「間もなく丑刻半(三時)だったと思います」

「暁方と言っても、まだ人の通る時刻ではないな」

平次はいろいろの事を考えている様子でした。